不動産売却の現状渡しとは?売主・買主のメリットとデメリットを解説
長く住んだマイホームなどを売却する場合、劣化や破損が気になることがあります。
修繕すれば高値で売却できるかもしれませんが、手間を省きそのまま売却したいと思われるかもしれません。
そこで今回は、そのままの状態での不動産売却をお考えの方に向けて、現状渡しとはどのようなものなのか、売主・買主それぞれのメリットとデメリットを解説します。
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不動産売却における現状渡しとは
不動産をそのままの状態で売却することは、一般に現状渡しとよばれます。
ただし、現状渡しにはいくつかの注意点がありますので、内容を把握することが大切です。
現状渡しの内容
現状渡しとは、不動産に手をくわえず、そのままの状態で売却することを意味します。
現状渡しが選択されるのは、築年数が古く、劣化が進んだ住宅などです。
不動産を売却する場合、ほとんどの買主はすぐに住める住宅を求めているため、劣化や破損を修繕して売りに出すことが一般的です。
しかし、修繕の手間やコストを考慮した結果、現状渡しで売却することも珍しくありません。
現状渡しの注意点①劣化や破損の告知義務がある
劣化や破損を修繕せず、現状渡しで売りに出す場合、売主は買主に対して不具合の告知義務を負います。
現状渡しであれば、個々の劣化や破損を伝えずに売却できると思われがちですが、買主との認識に相違があると、契約不適合責任を問われ、損害賠償を請求されるおそれがあります。
そのため、不動産売却で現状渡しを希望する場合は、把握している劣化や破損をすべて売買契約書に記載することが重要です。
不動産会社の仲介を利用する場合は、まず不動産会社に劣化や破損部分を伝えることが推奨されます。
現状渡しの注意点②不要な家具などは撤去する
現状渡しと聞いて、室内に家具や家電などが残った状態での売却をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、現状渡しとは、あくまでも室内の劣化や破損をそのままにして売却することを意味しており、不用品をそのままで売却するわけではない点に注意が必要です。
相続した古い実家をそのままの状態で売却したい場合、残された家具・家電・生活用品などは撤去する必要があります。
家財道具をそのままで売却したい場合は、単に現状渡しにするのではなく、残置物をそのままにすることについて買主に相談し、同意を得ることが重要です。
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不動産売却で現状渡しを選ぶ場合のメリット
不動産売却で現状渡しを選ぶ場合、売主にはさまざまなメリットがあります。
同時に買主にとってもメリットがありますので、条件交渉でアピールするのがおすすめです。
売主のメリット①修繕のコストがかからない
売却する不動産の劣化や破損がわずかであれば、修繕のコストはそれほど気になりません。
しかし、広範囲にわたる壁のひび割れや床のゆがみなど、大きな劣化や破損が認められる場合、修繕にかかるコストは高額になります。
住宅の修繕は、売りに出す前におこなう必要があり、その費用を負担するのは売主です。
ただし、修繕せずに現状渡しを選択すれば、こうしたコストを負担せずに済むことがメリットとなります。
修繕にかかった費用は、売り出し価格に上乗せすることが可能ですが、価格が上がると買い手が見つからなくなるリスクもあります。
売主のメリット②すぐに売り出せる
劣化や破損を修繕してから売りに出す場合、修繕工事には時間がかかります。
この点、現状渡しであれば修繕工事が不要となり、すぐに売り出せることがメリットです。
修繕はすぐに終わると思われがちですが、実際には一連の作業にある程度の時間がかかります。
具体的には、対応可能な修繕業者を探す時間、見積もりを取ったうえでの予算調整、修繕業者とのスケジュール調整などが必要です。
もちろん、修繕工事自体にも日数がかかることがあり、早期売却が難しくなることは珍しくありません。
売主のメリット③買取は契約不適合責任を問われない
現状渡しで不動産を売却する場合、不動産業者が買主となる買取を選択すれば、契約不適合責任を問われない点がメリットです。
一般の買主に売却する場合は、劣化や破損について告知義務があり、売買契約書に記載のない不具合が発覚した場合には契約不適合責任を問われます。
ただし、買主が一般の個人ではなく宅地建物取引業者であれば、契約不適合責任を問われて契約解除や損害賠償請求をされるリスクは基本的に生じません。
買主のメリット①安く買える
現状渡しの不動産を購入する場合、買主には安く購入できるメリットがあります。
現状渡しの不動産は、劣化や破損がそのままの状態であるため、同じエリア内で類似した条件の不動産と比較して、低価格で売却されることが一般的です。
室内を新築同様に再生するリフォームやリノベーションをおこなう場合でも、新築住宅を購入するよりも予算を抑えることが可能です。
買主のメリット②自由にリフォームできる
現状渡しの不動産は、自由にリフォームできる点が買主のメリットです。
買主のなかには、劣化や破損がある状態のままで安価に売られている中古住宅を求める方もいます。
不動産の購入価格を抑え、その分をリフォームやリノベーションに充てたいと考える買主は、修繕工事を必要としない場合があるでしょう。
売主が劣化や破損を修繕したとしても、買主にとっては不要な工事となることがあります。
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不動産売却で現状渡しを選ぶ場合のデメリット
現状渡しには、さまざまなメリットがありますが、注意しなければならないデメリットも存在します。
トラブルを避けるためには、売主のデメリットだけでなく、買主にどのようなデメリットがあるかをチェックしておきましょう。
売主のデメリット①高く売れない
現状渡しの不動産は、同じエリアにある類似条件の不動産と比較して、安値での取引となる点がデメリットです。
駅の近くにある、敷地が広いなどのメリットがある不動産であれば、建物に劣化や破損が多くても、高額での取引が見込まれる場合があります。
しかし、一般的な不動産の場合は、修繕にかかる費用を考慮し、売却価格を下げなければ、買い手が見つからないことが多くあります。
売主のデメリット②契約不適合責任のリスクが高い
売買契約書に記載のない不具合が発覚した場合、物件の引き渡し後であっても、売主は契約不適合責任を負います。
劣化や破損の少ない住宅であれば、不具合を漏れなく伝えることが可能ですが、劣化や破損が多い現状渡しの不動産では、すべての不具合を把握してリスト化することが困難な場合があります。
そのため、現状渡しの不動産では、契約不適合責任を負うリスクが高まる点がデメリットです。
小さなひび割れや設備の不具合であっても、買主に事前に伝えていないと、契約不適合責任を問われ、契約解除や損害賠償請求に至ることがあります。
買主のデメリット①すぐに住めない
現状渡しの不動産を購入する場合、そのままの状態ではすぐに居住できない点が買主側のデメリットです。
現状渡しである以上、リフォームやリノベーションに時間を要するのは避けられませんが、売却を円滑に進めるための工夫は可能です。
具体的には、実際に住んでいたからこそ把握できる修繕が必要な箇所を買主に伝えるとともに、地元で信頼されている修繕業者を紹介することが効果的でしょう。
買主のデメリット②住み始めてから不具合が発覚する
築年数の古い不動産では、買主が実際に居住を開始してから不具合が発覚することがあります。
契約不適合責任により、売主が修繕費用などを負担する必要がありますが、こうした対応が発生すること自体を煩わしく感じる点は、買主側のデメリットです。
買主が不具合に対して不安を抱いている場合には、売却前に建物の状態を確認するホームインスペクションを実施することが有効です。
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まとめ
不動産売却の現状渡しとは、劣化や破損をそのままにして売ることです。
現状渡しには、修繕費用がかからないメリットがあり、買主にとっては安値で購入できるメリットがあります。
ただし、契約不適合責任を問われるリスクが高くなることと、買主がすぐに住めないことはデメリットです。
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emon
福岡市中央区 / 大名や今泉エリアに根ざした視点を活かし、柔軟かつ親身な不動産サービスを心がけています。
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