音漏れしにくい家ってどんな家?
構造と防音性の関係性について
この度は、よくある質問の中でも上位に位置する「構造と防音性の関係性」についてご紹介したいと思います。まずは、音の種類について理解しておきましょう。
- 空気伝播音(くうきでんぱおん):主にテレビの音声や話し声、楽器の音など、空気を通じて伝わる音のことです。この種類の音は、障害物があればそれを通過する際に一定程度軽減されます。
- 個体伝播音(こたいでんぱおん):主に足音や物を落とした際の衝撃音、ドアの開閉音など、壁や床を通じて伝わる音のことです。
生活を送る中で、つい物を落としたり、何度も扉を開閉してしまったり、気持ちよく歌を歌っていると歌声が大きくなってしまったりすることがありますよね。これらの日常生活の音は、防音性の高い住宅であっても完全に防ぐことは難しい場合があります。
実際、入居中の住民同士で最も頻繁に相談が寄せられるトラブルの一つが「騒音問題」です。しかし、騒音の聞こえ方には個人差があり、同じ音でも人によって感じ方が異なることがあります。そのため、騒音問題の解決は簡単ではなく、難しい問題と言えます。
構造に関する情報
マンションや建物が鉄筋コンクリート造であるからといって、必ずしも防音性が高いとは限りません。構造は、建物の骨組みを意味するものであり、必ずしも音漏れに直結するわけではありません。具体的には、躯体とは建築物を支える骨組みを指します。
- 木造(W造):断熱性や調湿効果に優れており、温かみのある構造です。しかし、材質が木材であるため、軽量で壁の中の空洞が大きくなり、音を通しやすいというデメリットもあります。
- 鉄骨造(S造):強度があり、耐久性や耐震性に優れています。また、シロアリなどの害虫リスクも軽減されます。ただし、通気性や断熱性が低く、夏は暑くて冬は寒くなりやすいというデメリットがあります。
- 鉄筋コンクリート造(RC造):壁や床にコンクリートが使用されているため、壁が厚く防音性に優れています。耐火性や防音性、耐震性、気密性、耐風性、耐水性など、多くのメリットがあります。ただし、結露やカビの発生が比較的多く、建築コストが高いため、家賃価格が高くなることがデメリットとなります。
以上が一般的に見られる3つの構造ですが、他にも鉄骨造には軽量鉄骨や重量鉄骨などの違いがあり、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)など、さまざまな構造が存在します。
構造によって音漏れが異なることは事実ですが、「木造だから音漏れしやすい」とか「マンションだから防音性は安心」といった先入観にとらわれてしまうことがあります。しかし、このような一般的な考え方で条件を絞り込んでしまうと、選択肢が制限されてしまう可能性があります。
前述した通り、構造は建物の骨組みを指します。たとえば、鉄筋コンクリート造であっても、全ての壁にコンクリートが使用されているわけではありません。一部の物件では、石膏ボードや木材が使用されている場合もありますので、注意が必要です。また、石膏ボードの厚みによっても防音性が異なります。
最近では、ハイツでも高遮音床や高遮音界壁など、防音性に優れた物件が増えていますので、選択肢は多岐にわたります。
防音性の確認方法
以下は、防音性を確認する方法です:
- 室内で手をたたいてみる:音が響く場合は、遮音されている可能性が高く、反対に音が響かない場合は隣室に音が漏れている可能性があります。
- 壁を軽くたたいてみる:低い音がする場合は防音材や遮音材が使われている可能性があり、高い音や軽い感じがする場合は防音性が期待できないかもしれません。
内見時には隣人に配慮しながら、これらの方法を試してみてください。
まとめ
以下が構造と防音性の関係性についてのまとめです:
- 空気伝播音と個体伝播音の2種類があります。
- 建物の構造は躯体を意味します。
- 鉄筋コンクリート造のマンションでも防音対策が不十分な場合もありますが、最近ではハイツでも防音性に優れた建物が増えています。
以上が構造と防音性の関係性についての簡単な説明と豆知識でした。
当社は土地開発から戸建の建築販売も行ってきました。長年培ったノウハウを生かして、中古マンションや中古戸建を買う際のチェックポイントなどもお伝えしています。
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