不動産売却の必要書類は?売却前・契約締結・決済のタイミング別に解説!

不動産売却の必要書類は?売却前・契約締結・決済のタイミング別に解説!

不動産を売却するときは、タイミングによって必要となる書類が異なります。
必要書類を事前に準備しておくと売却手続きをスムーズに進められますが、何を用意すればよいのかがわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、不動産の売却前・契約締結時・決済時の3つのタイミング別の必要書類について解説します。

不動産売却前の必要書類と取得方法

不動産売却前の必要書類と取得方法

不動産を売却するときには、まず不動産会社に販売活動を依頼するところから始めます。
ここでは、不動産売却前の必要書類と取得方法について解説します。

売却前の必要書類①付帯設備表

付帯設備表とは、不動産に付いている設備や不具合・故障の有無などを記載する書類です。
この書類の内容に基づき、不動産会社は販売情報を作成します。
書類自体は、不動産会社が用意してくれるので、売主側ではそれに内容を記載するだけで問題ありません。
付帯設備表に記載された内容と事実が異なるときには、物件の引き渡し後に買主から修繕費用や損害賠償などを請求されかねません。
そのため、付帯設備表には、事実をしっかりと記載することが求められます。

売却前の必要書類②物件状況確認書

物件状況確認書は、不動産の現況を買主へ伝えるための書類で、告知書とも呼ばれます。
書類は、土地・建物・その他の3つのカテゴリーに分かれており、境界の状況や土壌汚染の有無、アスベスト使用の有無、雨漏りの有無などを記載します。
売却前に必要となる物件状況確認書も、不動産会社が用意してくれる書類です。
不動産会社は、物件状況確認書をもとに、買主に対して不動産の現況を説明します。
もし、事実とは異なる箇所があったら、のちに買主から契約不適合責任を問われて、解約などのトラブルに発展するおそれがあるため注意が必要です。
自分ですべてを確認するのは難しいため、不動産会社の担当者に尋ねながら作成しましょう。

売却前の必要書類③インスペクションの結果報告書

インスペクションとは、専門家が住宅の劣化状況を診断する調査です。
築年数の古い不動産を売却するときには、物件状況確認書をより正確に作成するために、インスペクションが必要となることがあります。
インスペクションの検査項目は、柱や梁、屋根裏、排水管など多岐にわたります。
インスペクションを依頼するときには、5~10万円ほどの費用がかかる点がデメリットです。
しかし、不動産の売却前に細かい診断をおこなっていることが買主の安心感につながり、査定価格のアップにつながることもあります。
インスペクションの結果報告書は、調査を依頼する既存住宅状況調査技術者が作成してくれます。

不動産契約締結時の必要書類と取得方法

不動産契約締結時の必要書類と取得方法

不動産会社の販売活動を通じて買主が見つかったら、売買契約を交わします。
売買契約時にもさまざまな書類が必要となるため、事前に確認しておきましょう。
ここでは、不動産売買契約締結時の必要書類と取得方法を解説します。

売買契約締結時の必要書類①売買契約書

不動産の売買契約締結時には、不動産会社が売買契約書を2通作成します。
そこに、売主と買主の両者がサイン、実印を押し、互いに書類を保管する形です。
売買契約書には、売買代金や引き渡しの条件、引き渡し日などが細かく重要な情報が記載されているため、疑問点があれば事前に不動産会社の担当者に確認して解消しておきましょう。
なお、不動産売買契約書は課税文書のため、印紙税を納める必要があります。
印紙税は、不動産の売買代金に応じて異なり、売買契約書に収入印紙を貼る形で納めます。
事前に金額を確認しておくと、より安心です。

売買契約締結時の必要書類②精算関係書類

不動産に課される固定資産税は、引き渡し日を起点として、売主と買主とで折半する形が一般的です。
その固定資産税の精算をおこなうために、不動産会社が書類を作成して売主と買主に内容の確認を求めます。
また、土地のときには実測精算費用、マンションなら管理費や修繕積立金も精算の対象となります。
不動産会社から精算関係の書類を渡されたら、内容に誤りがないかをしっかりと確認するようにしましょう。

売買契約締結時の必要書類③本人確認書類

原則として不動産は、名義人本人にしか売却できません。
売買契約を交わすときには、不動産の名義人本人であることを証明するための書類が必要です。
本人確認書類としては、運転免許証やマイナンバーカードなどが挙げられます。
顔写真が付いていない身分証明書は、本人確認書類として認められない点に注意が必要です。

売買契約締結時の必要書類④印鑑証明書

売買契約書には、実印を押す必要があります。
その実印が本人のものであることを示すために必要な書類が、印鑑証明書です。
印鑑証明書は、発行日から3か月以内のものが求められます。
そのため、売買契約日に合わせて、自治体で取得することをおすすめします。
なお、不動産の所有者が複数人いるときには、全員分の印鑑証明書が必要です。
遠方に住んでいるなどの理由で書類がそろわないと、売買契約に支障をきたすおそれがあるため、注意が必要です。

不動産の引き渡し・決済時の必要書類と取得方法

不動産の引き渡し・決済時の必要書類と取得方法

売買契約を締結し、いよいよ物件の引き渡しをおこなう決済時にも、さまざまな書類が必要となってきます。
引き渡し時に不備があると手続きが中断してしまうため、事前にチェックしておきましょう。

決済時の必要書類①物件引渡確認書

物件引渡確認書は、買主が不動産をたしかに受け取ったことを証明するための書類です。
売買契約書などと同じく、不動産会社が作成してくれます。
不動産を引き渡す当日には、物件引渡確認書に買主が記名・押印をします。
売主は、それを買主から受け取り、不動産の引き渡しを終えたことを確認する流れです。

決済時の必要書類②実測図・筆界確認書・越境の覚書

一戸建てや土地を売却するときには、土地の面積や境界を示した実測図・筆界確認書を買主に渡す必要があります。
もし、手元になければ、土地家屋調査士に依頼して作成してもらいましょう。
また、木の枝などが境界を越えているようなケースでは、隣地所有者と越境物の存在を確認しあったことを示す越境の覚書が必要です。
越境の覚書がないと、近隣住民とのトラブルにつながりかねないため、越境物があるときは前もって用意しておくことが推奨されます。

決済時の必要書類③建築確認済証・検査済証

一戸建てを売却するときには、建物が法的基準を満たしていることを証明する、建築確認済証・検査済証も必要です。
建築確認済証・検査済証は、新築住宅の購入時に不動産会社から渡されるものです。
事前に探して、準備しておきましょう。

決済時の必要書類④登記関連書類

不動産の決済・引き渡し時には、権利証(登記識別情報通知書)を用意する必要があります。
権利証は、不動産の所有権移転登記をおこなったときに、法務局から発行される書類です。
決済日に権利証を司法書士に渡し、買主から代金が振り込まれたのを確認したら、司法書士がこれをもとに所有権を売主から買主へ移す手続きをおこないます。
権利証は再発行ができませんが、もし手元になくても事前通知制度を利用したり、弁護士や司法書士に本人確認をしてもらったりすると売却できるようになります。

まとめ

不動産の売却前に必要な書類には、付帯設備表や物件状況確認書、インスペクションの結果報告書などがあります。
不動産売買契約締結時には、売買契約書、精算関係書類、本人確認書類、印鑑証明書などが必要です。
また、不動産売却の決済時には、物件、引渡確認書、実測図、権利証などの書類を用意する必要があります。