
アパートの空室対策|設備交換・値下げをせず成約した募集改善事例
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入居者を決めるために、今度はキッチンの交換を勧められた。
福岡市中央区港のアパートのオーナーから、emonに寄せられたご相談です。約3年前の募集ではトイレを交換しており、今回も別の設備の交換を勧められたことに、不満を感じていらっしゃいました。
この物件では、キッチンを交換せず、家賃も据え置きました。募集資料・掲載写真・閲覧数などを確認し、仲介会社が紹介や案内をしやすい環境を整えた結果、ご相談から2か月以内に、元の募集条件で成約しました。
何を確認し、どこを見直したのか。アパート・賃貸マンションの空室対策を考える材料として、実際の対応をご紹介します。
1.前回はトイレ、今回はキッチン。工事が続くことへの不満
このアパートでは、約3年前の入居者募集時に、客付けのためにトイレ交換を勧められ、オーナーが実施していました。
そして今回の募集では、キッチン交換を勧められたとのことでした。家賃は月6万円程度、キッチン交換費用は35万円程度。家賃収入の約6か月分にあたる支出です。
オーナーは、リフォーム案が小出しに追加されることにいら立ちを感じていました。前回の提案に応じて設備を替えたのに、次は別の設備を替えるよう言われる。そうした経緯からは、今後どこまで費用をかけることになるのか、見通しを持ちづらい悩みも読み取れます。
もちろん、トイレとキッチンは別の設備です。前回トイレを交換したことだけで、今回のキッチン交換が必要かどうかは判断できません。
そこで大切になるのが、工事の提案と合わせて、現在の募集内容や価格、物件が紹介されるまでの流れも確認することです。設備に費用をかける前に、ほかに見直せる点がないかを整理します。
2.募集資料・写真・データを見直し、家賃は据え置くと判断
今回、まず取り組んだのは、募集資料と掲載写真の見直し、閲覧数などのデータ分析でした。
借り手に提示する情報と、その情報を見た人の反応を確認することで、募集のどこを見直すかを考えます。
例えば、一般的な確認の視点としては、次のようなものがあります。
- 写真や説明で、現在の室内・設備の状態が伝わっているか。
- 物件の特徴や募集条件が分かりやすく整理されているか。
- 掲載情報がどれくらい見られているか。
- 閲覧後の問い合わせや内見につながっているか。
閲覧数だけで、決まらない原因や家賃の妥当性を判断できるわけではありません。あくまで募集状況を捉える材料の一つとして、資料・写真・条件と合わせて考えます。
この物件では価格は適正と判断し、家賃を据え置いて募集を進めました。 キッチン交換も行っていません。
そのうえで力を入れたのが、物件を紹介する仲介会社への協力の呼びかけと、利用しやすい募集環境づくりでした。自社の掲載情報を整えるだけでなく、ほかの仲介会社にも広く紹介してもらうことに専念しました。
3.仲介会社が紹介・案内・申込みを進めやすい環境を整える
部屋を探す方が物件を知る入口は、管理会社の広告だけとは限りません。別の不動産会社で相談し、その会社から紹介を受けることもあります。
そこで、紹介してくれる仲介会社が、資料の入手や条件確認、内見の手配で迷わないように整えました。
仲介会社が紹介しやすい4つの工夫
- 01
内見を手配しやすく
現地キー・WEB予約
- 02
費用・条件をすぐ確認
初期費用・募集条件
- 03
広告を掲載しやすく
資料・画像・文言を活用
- 04
申込み方法を選べる
WEB・紙に対応
現地キーとWEB予約で、内見を手配しやすくする
現地に鍵を設置し、内見予約はWEBで完結できるようにしました。
お客様が見たいと思ったときに、仲介会社が案内を手配しやすくするためです。鍵の受け取りや予約のために必要な手間を減らし、物件を案内するまでの流れを整えました。
オーナーからは見えにくい部分ですが、募集情報を見てもらうことに加えて、実際に室内を見てもらう機会をつくるうえでも大切な対応です。
初期費用・募集条件を、すぐに確認できるようにする
家賃だけでなく、初期費用や募集条件も、仲介会社がすぐに確認できる状態にしました。
お客様から費用や条件を聞かれたとき、確認待ちになると、その場で検討を進めにくくなります。紹介する担当者が必要な情報を把握し、お客様へ説明しやすくすることを意識しました。
「興味を持ってもらうこと」と「具体的に検討できる情報を揃えること」の両方が必要です。
資料・画像・募集文言を使えるようにし、広告を広げる
仲介会社が詳細資料や画像をダウンロードできるようにし、募集文言や画像も、募集広告に自由に使ってもらえるようにしました。
これは、紹介先の仲介会社が自社のサイトや募集媒体にも広告を掲載しやすくするためです。業界では「二次広告」と呼びますが、オーナーにとっては、自社以外の不動産会社にも物件を広告してもらい、借り手と出会う入口を広げる取り組みです。
資料や写真を一から用意する負担を減らし、協力してくれる仲介会社が募集を進めやすい状態をつくりました。
申込みはWEBと紙の両方に対応する
申込みはWEBで受け付けるとともに、紙でも対応しました。
仲介会社やお客様の進めやすい方法に対応し、申込みの段階でも手続きを進めやすくしています。
デジタル化すること自体を目的にせず、紹介・案内・申込みに関わる人が利用しやすいことを重視しました。
4.キッチン交換・条件変更をせず、相談から2か月以内に成約
今回の対応をまとめると、次のようになります。
相談から成約までの流れ
- 01
ご相談
約3年前にトイレ交換。
今回はキッチン交換を勧められた。 - 02
確認・判断
資料・写真・データを確認。
価格は適正と判断し、家賃・条件を据え置き。キッチン交換は見送り。 - 03
募集環境
内見予約・条件確認を整備。
資料・画像・文言を共有し、仲介会社の協力を広げる。WEB・紙の申込みに対応。
実際の結果
相談から2か月以内に
元の条件で成約
キッチン交換・値下げなし
| 項目 | 実際の判断・対応 |
|---|---|
| キッチン交換 | 実施しない |
| 家賃・募集条件 | 元の条件を維持 |
| 募集内容 | 資料・掲載写真を見直し、閲覧数などを分析 |
| 内見・条件確認 | 現地キーを設置し、WEB予約と迅速な情報確認に対応 |
| 仲介会社の広告 | 詳細資料・画像をダウンロード可能にし、募集文言・画像の利用を認める |
| 申込み | WEB・紙の両方に対応 |
| 結果 | 相談から2か月以内に、元の募集条件で成約 |
この物件では、追加のキッチン交換費用をかけず、家賃も下げずに成約へ至りました。
ただし、複数の見直しを行っているため、どの対応がどれだけ成約に寄与したかは、分けて断定できません。今回の結果を、ほかの物件でも同じ期間・条件で成約できるという保証にするものでもありません。
お伝えしたいのは、工事や価格を検討するときに、仲介会社の協力を得やすい募集環境も、具体的な見直しの対象になることです。
5.工事・値下げの提案には、募集の現状と判断理由も必要
設備交換が必要な物件も、価格調整をした方がよい物件もあります。今回の結果だけを理由に、工事や値下げを避ければよいとは考えていません。
一方で、工事や値下げを提案されたときは、オーナーが次の点を確認できると、費用をかける理由を判断しやすくなります。
- 今の募集資料や写真、閲覧・問い合わせの状況はどうか。
- 仲介会社が広告・案内をしやすい状態になっているか。
- 設備交換や価格調整が必要だと考える根拠は何か。
- ほかの対策には、どのような選択肢があるか。
工事が必要なら、今回優先する範囲や、今後想定される設備更新も、分かる範囲で整理したいところです。将来の故障をすべて予測することはできませんが、提案のたびに費用が追加される不安を減らすには、現時点での見通しを共有する意味があります。
空室対策では、部屋そのものの魅力とともに、その情報が届き、紹介され、内見・申込みへ進むまでの流れを確認することが大切です。
emonでは、アパート・賃貸マンションの管理委託や管理会社変更についてご相談を承っています。空室が続き、工事や値下げの提案に迷っている場合は、現在の募集資料と、これまでの経緯をお聞かせください。
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